君へ、約束の歌を。<実話元>


競技場に入ると、うちの学校がとってある専用スペースの席に座る。



『今日も頑張りましょー!』


「「うん!」」



私達は、軽く握った拳をコツンッと突き合わせた。



アップをして、ストレッチとかをしてる間も緊張して落ち着かない。


見慣れてるハズの競技場が、なんだか違う場所みたいに映る。



…まず最初の競技は、走り高跳び。


高跳びのフィールドでは、もう既に何人かの選手が来ていて練習を始めていた。


その光景は、高跳びの選手として大会に参加しているいつもの雰囲気と同じで、少し緊張が解れる。


高跳びが一番最初の種目でよかった…



私も荷物をベンチに置いて、踏み切り位置に貼るためのテープを持つと、助走のスタート位置の確認に向かった。


審判が来るまでの練習中は、本番と同じように実際に跳ぶことができる。


バーの高さは低くて、90cmくらいだけど。



テープを貼って、捻ったりしちゃわないように足首を回していた時、跳んでいる子が目に入った。


…あれ?


あの子、もしかして…



ベンチに座ったその子に近寄って、確信。



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