君へ、約束の歌を。<実話元>
『…海(ウミ)ちゃん!』
肩を叩いて、話し掛けた。
「…えっ!愛璃ちゃん!?」
海ちゃんが目を丸くして、私を見つめる。
海ちゃんも、走り高跳びの選手。
時々リレーにも出たりしてるからよく大会で一緒になって、仲良くなった子。
「びっくりした〜!
愛璃ちゃんも三種出るんだ!?」
『そうなの!海ちゃんも出るんだね』
「顧問に出てみろって言われてさ」
『やっぱどこもそんな感じなんだ〜。
でも海ちゃんと一緒で嬉しい!
知り合いいないかと思ってたから…』
「だよね〜!うちも嬉しい♪」
思いがけず知ってる子に会えた喜びに、
胸が浮き立つ。
三種競技は、出てる学年が幅広い。
中1から、高2まで。
中学生の人数の方が高校生より多いけど。
その中で友達がいるってことはとても心強く感じた。
助走したり跳んだりしていたら審判が来て、練習終了を告げた。
今回は高跳び専門じゃない選手もたくさんいるから、スタートのバーの高さは低めで1m。
それから徐々に5cmずつ上げてく。
高く跳べれば跳べるほど、得点は高い。