君へ、約束の歌を。<実話元>
結局最後の方まで残ったのは、
海ちゃんと私と2・3人だった。
「やっぱり高跳びでは、うちら有利だよね。
専門分野だもん」
『だよね。
っていうか砲丸投げやばいから、ここで点取っとくしかないし!』
「確かに〜。
砲丸投げ得意な人も、もちろん
いるだろうしね。
…おっ、そろそろ愛璃ちゃんの番じゃない?」
『もう順番か〜行ってくるね!』
海ちゃんに手を振って離れ、
テープを貼った位置に立つ。
大きく一つ、深呼吸。
バーとマットを見据えて、
リズムと勢いをつけて助走する。
そのまま強く踏み切って風を切って跳び、背中からマットに沈み込んだ。
「よし!」
審判がOKの旗を上げる。
この跳べた時の感覚・一瞬が、
すごく気持ちいい。
…結果は、
私→1m50cm。
海ちゃん→1m55cm。
海ちゃんには負けちゃったけどまずは高得点ゲット!
やった♪
…次の種目は、100m走。
スタートラインの手前で並ばせられていると、二列くらい前に並んでいる海ちゃんが手を振ってくれて、私もそっと振り返した。