君へ、約束の歌を。<実話元>
二種目終わって、残るは…
日差しが眩しい、午後。
いよいよ最後の種目…
砲丸投げ。
競技場の砲丸投げのフィールドに入ったのももちろん初めて。
このドキドキ感は、
前の二種目の比じゃない。
砲丸投げも高跳びと一緒で練習が許されてるから、私も投げていた。
でも、いっぱい練習し過ぎて腕が痛くなったりしたら困るなぁ…って思ってベンチに腰を下ろす。
海ちゃんも同じ考えだったみたいで、こっちに歩いて来ると私の隣に座った。
「はぁ〜緊張するね」
『ね〜…なんかみんな上手そうに見える』
「わかるわかる!」
…と、その時。
砲丸投げのフィールドから少し離れたところに、うちの学校のジャージの後ろ姿を見つけた。
あれは――…
『ごめん、ちょっと行ってくるね!』
海ちゃんに言い置いて、
走ってその子の元に向かう。
ぽんぽん、と肩を叩いて名前を呼ぶ。
『祐ちゃん!』
振り向いた祐ちゃんに、
今から砲丸投げなの!って報告。