君へ、約束の歌を。<実話元>
祐ちゃんの視線を追って砲丸投げのフィールドを見ると、
続々と人の数が増えてきていた。
『ほんとだ!行かなきゃ!
じゃあ祐ちゃんも円盤投げファイト!』
「おぅ!じゃあね〜」
祐ちゃんに手を振ってフィールドに戻り、またさっきまで座っていた海ちゃんの隣に腰を下ろした。
『ただいま〜!』
「おかえり!…ね〜愛璃ちゃん?」
『ん?』
ニヤニヤと頬を緩ませてる海ちゃん。
「今の人、彼氏?」
『え??』
私の思考は、一旦停止。
「とぼけちゃって〜!
声は聞こえなかったけど、顔はバッチリ見ちゃった!」
彼氏…?
『今の人、って…!』
なんか前にもあったなぁ…
こんなこと…
思わず笑ってしまった私を、
海ちゃんが不思議そうに見る。
私はヒラヒラと手を振って否定した。
『違うよ〜!彼氏じゃないって!』
「え〜っ!そうなの?!」
『そうそう。…それに、』
「それに…?」