君へ、約束の歌を。<実話元>
私はまだ緩む頬を堪えながら、
海ちゃんをまっすぐ見つめた。
『あの子、女の子だよ』
私が落とした爆弾の効果は絶大だった。
海ちゃんは目を丸くして口をぽかんと開けたまま、私から目を離さずにいる。
「…えっ!?うそ〜っ!!」
海ちゃんの大きな声に周りの選手達が振り向いちゃって、慌てて私は自分の口元に人差し指を当てた。
『し〜っ!!
そんなびっくりしなくても…』
「びっくりするよっ!えっウソでしょ!?
だって男の子にしか見えない…」
声のボリュームは落としたものの、
海ちゃんはまだ興奮気味。
っていうより混乱気味?
『ウソじゃないよ〜!
白石祐ちゃんって子でね…』
私は祐ちゃんのことを、簡単に紹介。
話し終わったら、
海ちゃんは感心したように頷いた。
「スゴイんだね〜あの子…
自分貫いてる感じでかっこいいね!」
『だよねっ』
仲間が褒められるのは、なんだか自分のことを褒められたみたいに嬉しかった。