君へ、約束の歌を。<実話元>
「…ところで、」
『うん?』
「結局愛璃ちゃんって、彼氏いるの?!」
『はぃ!?』
海ちゃんの目が、キラキラしてる。
女の子って恋バナ好きだよね…
私も人のこと言えないけど。
「だって愛璃ちゃん…
「それでは、砲丸投げ競技始めまーす!」
そこにちょうど審判が到着して、海ちゃんの声に被さる。
恋バナはまた今度、ってことになって、
二人とも気持ちを入れ替えて集中して競技に取り組んだ。
…結果は、
学校で練習してた時の自己ベスト更新!!
三種目全部が終わって、やっと肩の荷が下りた気分。
得点の集計結果を見ると…
「愛璃ちゃん、うちら県大会行けるよ!
やったね!」
『うそ…!信じらんない…』
頑張った砲丸投げの順位は、
出場選手の中で真ん中くらい。
走り高跳びと100mの好記録のおかげで、
見事県大会行きを掴むことができた。
何十人もいる選手の中で、上位8位以内に入れたなんてすごく嬉しくて。
みんなに報告しなきゃ!