君へ、約束の歌を。<実話元>
海ちゃんと、またね!って言葉を交わし合って、学校の応援席に向かった。
みんな今ちょうど結果を見に行ったりしているのか、応援席には祐ちゃんと、離れた席に男子が数名。
うちの陸部は全体の人数がすごく多いから席もいっぱいとってあってスペースが広い。
そんな中、祐ちゃんは一人、席をいくつか使って寝転んでいた。
顔にはタオルがかけてある。
陸部では大会のときに席でそうやって横になってる人が多いから、特に気にしなかった。
『祐ちゃ〜ん!』
もしかして寝てるかなぁとも思いつつ、
祐ちゃんの肩を叩いて呼び掛けてみた。
「ぅん…?」
祐ちゃんが身じろぎ、
起きてることがわかったから報告。
『私、県大会行けることになったよ〜!』
「…愛璃ちゃんか〜。おめでとう!」
祐ちゃんはタオルを顔にかけたまま、
寝転んだまま。
ちょっと様子が変…?
そう思った私は、更に声を掛けた。
『どうかした?
…そういえば、円盤投げはどうだった〜?』
「………」