君へ、約束の歌を。<実話元>
・・。+゚歌声のち、約束。
県大会での自己ベストを目指して、
またまた砲丸投げの特訓の日々が開始された。
学校のグラウンドの隅にある、専用の砲丸投げ練習場所。
危険防止のためにネットで囲まれているそのフィールドの中、祐ちゃんはずっと私の練習につきあってくれてる。
『前テレビで見たことあるんだけど、円盤投げとかのプロの選手って投げる時によく叫んでるよね〜』
私は、サークルの中に立って、投げる時に捻っちゃわないように手首を回しながら、ふと思い出したことを口にした。
残って練習してるのは、私と祐ちゃんだけ。
…夕日が差し込み、お互いの顔が少し赤く染まってることが時間の経過を示している。
「あぁ〜、大会でもそういう人いるよ。
声で勢いつける人。
なんなら愛璃ちゃんも叫んでみる?」
ニヤッと笑いながらふざけて言う祐ちゃんに、私も笑いながら答える。
砲丸を手に取って…
『じゃあやってみようかな〜♪
せーのっ…
――わぁ〜〜っっ!!!』
ストレス発散!って感じで大きな声を出して投げてみたけど。
――ボトッ…
砲丸が落ちたのは、
サークルに近い、ショボい距離。