君へ、約束の歌を。<実話元>
『………』
「うん…愛璃ちゃんは叫ばない方がいいみたいだね」
『…そうみたい』
…もちろんいつもこんな風に遊んだり喋ったりばっかりしてたわけじゃない。
私はまだ砲丸を投げるっていうより重さに耐え切れずに放ってるって感じだから、腕力をつけようと補強トレーニングもやった。
けんすいも頑張った。
(結局できなかったけど)
祐ちゃんは、けんすいも数回は続けてできるし、ほんとにスゴイ。
その筋力を分けてほしい…
――…そして迎えた県大会。
空はキレイに晴れてて、いい天気。
競技場に着いてアップをしていると、顧問の先生に呼ばれた。
「緊張してるか?」
『ちょっとしてますけど、前の大会ほどじゃないです』
「砲丸投げがあるし、正直、お前が三種で県大会に出られるとは思ってなかったから、俺もびっくりだ」
『…ですよね〜。
(やっぱり思ってなかったんだ…)』