君へ、約束の歌を。<実話元>
体は、くたくた。
頭の中は、眠い…の一言。
夕日が照らす中、歩きながらも頭がぼーっとしてくるわけで。
『…ダメだ!歩いたまま寝そう!』
「そんなことできんだろ!」
祐ちゃんが、笑いながらツッコむ。
『ん〜…でもめちゃ眠い…』
「たしかにね〜気持ちはわかるけど」
周りは、すごく静かで人も通らない。
あくびを堪えながら、ひたすら歩く。
「…そうだ!
愛璃ちゃん何か歌って!」
『へ??』
隣に顔を向けると、期待を込めて私を見つめる祐ちゃんの瞳。
ちょうど夕日が反射して眩しかったから、また前に向き直る。
私と祐ちゃんは歌が大好きで、二人でいる時には、よく一緒に歌ってる。
学校でも、大会の帰り道でも。
どっちかが歌うと片っぽも歌うって感じ。
私は基本高い声だから、女性アーティストの歌を歌うことが多い。