君へ、約束の歌を。<実話元>
うちの学校では今年から3年生が体育大会の最後の演目に、ソーラン節を踊ることになった。
その練習のため、授業後は毎日ソーラン節があちこちで聞こえる。
踊ってる先輩達は、すごくかっこいい。
耳慣れない伝統的な日本の音楽にも私達の期待は膨らむ。
「「「やぁーーっ!!」」」
通し練習が終わるみたいで、3年生全員が最後のポーズを決めると、観客と化してた周りから拍手が沸き起こる。
…本番ではハチマキとかもするらしいし、きっともっと感動するんだろうなぁなんて思いながら、みんなと一緒にぞろぞろと部活のストレッチに戻った。
…それでもみんな興奮は冷めない感じで、ストレッチをしながらも固まってソーラン節のことを話してる声が、あちこちで聞こえる。
私と祐ちゃんと亜美は、3人で円になって地面に腰を下ろしてストレッチをしていた。
しみじみと、息を吐く。
『はぁ〜…
来年あれやるってことは、今更だけど3年になるまで後少しってことだよね…』
「な〜に暗い顔してんの!
今からもう寂しくなってんの〜?」