君へ、約束の歌を。<実話元>
茶化すように私の顔を覗き込んだのは亜美。
私は口を尖らせて反論した。
『だって、3年になったら受験だよ〜!?
卒業だってすぐだろうし…
2年のままが気楽でいいなぁ』
後ろに手をついて空を仰いでみたけど、
「受験かぁ〜。
…そういえば二人は、行きたい高校決まってる?」
祐ちゃんの声に、視線を戻す。
『全っ然!
まだ私立か公立かってことも決めてな〜い』
「私もまだ決めてない!
祐は?決めてる?」
質問を返した亜美をちらっと見て、祐ちゃんは腕を組み、う〜んっと唸った。
「まだなんだよね〜。
将来やりたいこととかも関係してくるよね」
『やりたいこと、かぁ…』
将来って、まだまだずっと先のことみたいに感じるけど、とりあえず中学の次へ進むことは、もう1年後に迫ってる。
タイムリミットは待ってくれない。
…人生かかってるって言ったら大げさかもしれないけど、自分で道を選ぶんだもんね。
いいかげんには、選べない。
『私今んとこ就きたい職業とかないし…
とりあえず高校行って大学、かなぁ』