君へ、約束の歌を。<実話元>
『あ〜!わかった!
<旅立ちの日に>!?』
「ピンポ〜ン♪
あの曲すごいよくない?」
…そう言って、
「〜♪〜♪〜♪」
祐ちゃんが口笛で、
「旅立ちの日に」を吹く。
毎年卒業式で、
3年生が最後にこの曲を歌うのが恒例。
卒業式が近づくと、音楽室から練習してる歌声が聞こえてくるから知ってる。
『うん、いい歌だよね〜!私も好き♪』
そっか…
この歌をみんなで歌う日まで、
あと1年なんだ。
ソーラン節、旅立ちの日に…
3年生にしかできないことが、待ってる。
『〜♪〜♪〜♪〜』
祐ちゃんの口笛に合わせて、
少しだけ口ずさんでみた。
1年なんてすぐ過ぎちゃうんだろうなぁ…
大学とか就職とかは、
まだまだ遠い先の未来に感じるけど。
「来年」は近い未来って感じ。
手を伸ばせば届くくらいの。