君だけが好き!
しばらくすると、先生が入ってきた。
「みなさん、初めまして。私が今日から一年間担任を受け持ちます、西村です。どうぞよろしく」
西村という人は、セミロングの明るい茶髪をした女の教師だった。
「では、自己紹介を兼ねて、隣の人に自分の名前と趣味を言い合いましょうか」
何!?
バッ、と聡の隣の席の人を見る。
聡の隣は、かなり美形の男だった。
やばいよ、この状況は本当にやばい。
だってもし聡がアイツに恋をしたら?
その逆で、アイツが聡を狙ってるとしたら?
あの金髪の男(めんどくさいからパツ男)が聡を拉致って聡が泣いてるところに私が登場してパツ男をやっつけて聡が私に惚れて聡と私がラブラブラブラブ……。
「あの~……自己紹介は……」
隣のメガネ男が私に話しかけてきた気がするが、今の私は聡との妄想で頭がいっぱいだ。
だってあの強くて綺麗な聡が泣き顔で私に『助けて……直斗……』ってキャー!
「さ、そろそろ自己紹介も終わったかしら。じゃ、今から体育館で入学式をするから、出席番号の順番で廊下に並んでください」
体育館……体育館プレイ!?
何それ新鮮、だけど聡となら何でも……
「おい、直斗!何バカなこと考えてんのかは知らねーけど……体育館行くぞ」
「私と体育館プレイしてくれるんだね!ありがとう!」
「何の話!?」