君だけが好き!
「……ったく、なんだよ体育館プレイって」
「えへへ~」
今、体育館の中で私と聡は隣同士。
聡の横の子に笑顔(悪魔のような)で変わってと言ったら変わってくれた。
「聡がさっき自己紹介してた人、どんな人だった?」
「んー……、別に何とも。話が会いそうな訳でもなかったし」
「そっか」
それなら安心だね。
「ていうか、お前ちゃんと自己紹介してなかっただろ。ずっと前見てニヤついてたじゃねーか」
「え……あー、うん。なんかめんどくさくてさ」
聡が襲われてるところを想像してニヤけてた、なんて口が裂けても言えない。
……ん?
どうして私が自己紹介してなかったって知ってるんだろ。
見てたから……だよね。
聡が、私のことを、見てくれてた。
何これ、すごく嬉しいんだけど!
大きな声で聡に伝えたいけど、今は入学式の途中だし、小さな声で我慢。
「……ぁりがと」
「ん?なんて?」
「なんでもないよーっ」