君だけが好き!
「……眠い…」
私は眠気と戦いながら、部屋のカーテンを思いっきり開ける。
そこから制服を着て、リビングへと足を向けた。
「おはよう。……なんてね」
私は高校に入学してから、一人暮らしをしている。
理由はよくある親の都合というやつで、私としては有難い。
一人だと、他人に干渉されることがないから。
食パンをかじりながら、朝の天気予報を見る。
ふむ、今日は一日快晴か。
洗濯物を取り込むのは、学校から帰ってきてからで大丈夫そうかな。
ヴヴヴヴヴ……
メールのバイブが鳴った。
『北岡 聡士』
愛しい、名前。
メールの内容は、なんてことのない、普通なものだった。
でも、私は彼がメールをくれたことが嬉しくて、自然と頬が緩んだ。
そう。
彼――北岡 聡士と出会ったのは、今から六年前の今頃。