君だけが好き!
第一章
同じ気持ちの私達
聡が一人でテレビゲームをしているところを、私はベッドの上に座って見守っている。
ちなみに、ここは聡の部屋。
あのあと私は聡の家にお邪魔させてもらっていた。
「……だーっ!また負けた!……直斗、どこ見てんだ?」
それにしても、聡ってうなじがとても綺麗。
ずっと見てても飽きないよ。
「おーい、直斗?」
聡が覗きこむ体勢で、私の前に座る。
聡って顔も綺麗ていうか睫毛長いな「ぐはあっ」
「おい、直斗!?直斗!?」
気づいたら聡の顔が近くにあって、私の名前を愛らしく(そう聞こえた)呼んで、私の肩をしっかり掴んでて(揺すってるだけ)、ああ、私、ついに聡に初めてを……。
「……直斗が何を考えてたのかは知らねーけど、とりあえずヨダレ拭け」
聡が私の口元にティッシュを押しつけ、そのティッシュをゴミ箱に投げ捨てた。
そうやって拭いていたあいだに、何度か触れた聡の白くて細くて綺麗な指。
その指を舐めたら、聡はどんな反応をするんだろうな、なんて。
考えながら、私はまたヨダレを垂らしていた。
「直斗ってさ、過保護すぎる母ちゃんみたいだよな」
「いきなり何?」
「いや、今日の学校でのことだよ」
「それを言ったら、聡だって私のヨダレ拭いてくれたり、ご飯に誘ってくれたり、いっぱいお世話してくれてるじゃん」
「お互い様、って感じだな」
そう言いながら、彼は笑った。
テレビゲームを一時やめて、私と聡はくだらない会話を楽しんでいた。