君だけが好き!
~聡 side~
俺は直斗を家に送ったあと、すぐに自宅へと戻った。
『好きになってくれて、ありがとう』
そう言った直斗の言葉が、俺の心を温かくしていく。
それを言うべきなのは、俺のほうなのに。
俺が直斗のことを好きになったのは、出逢ったあの頃。
転校生のあいつは誰とも話そうとしなかったし、目すら合わそうともしなかった。
とても綺麗だと思ったし、それと同時に脆さとか儚さみたいなものも見えた。
……まあ、一目惚れだな、うん。
だから俺は、いっぱい話しかけてまずは友達になろうと思った……んだが。
友達になるよりも先に、直斗の脆い部分に触れてしまって。
でも、嬉しかった。
きっとアイツがこんなふうに話してくれるのは、俺だけだと思ったから。
俺は直斗に振り向いてもらいたいだけに、『友』という立場を利用したんだ。
そして、今日。
意をけっして直斗に告白したら、一発でOKだった。
俺は、直斗が好きだ。
直斗が思うよりもずっとずっとずっと。
直斗の綺麗な髪も瞳も形の整った顔も、心の弱くて脆くて繊細な部分も、全部が俺のもの。
大好きだ、直斗。