君だけが好き!
「あの、静かにしてもらえる?」
私は笑顔で、あくまで優しく諭す。
「なんでお前にそんなこと言われなきゃなんねーんだよ」
いきなり睨まれた。
どうして私が怒られてるんだろう。
これだから、他人と関わるのは嫌なんだよね。
私の親はとても忙しくて、よく転校をしていた。
そうして転校を繰り返すうちに、私は他人と関わるのがひどく億劫になっていた。
「ちぇ、つまんねーの」
そう言って男の子がやっと前を向く。
他にもいろんな人が話しかけてきたけど、私はひたすら無愛想に、必要最低限の言葉を返した。
そうしていると、放課後には私に話しかけてくる野次馬はほとんどいなくなっていた。
ただ一人を除いて。
「……ねえ、どこまでついてくるの」
帰り道。
私の後ろをひたすらついてくる男の子がいた。
私の前の席に座っていた男の子だ。