オノマトペ
「うん、お侍さんだからすごくつよいんだよぉ~」

真っ赤になりながらも、笑顔で説明する花音。

「侍? 今の日本に侍がっ!? 凄いわ、さぞかし由緒ある家のお方なのでしょうねっ」

「そうだね、誠実で真面目な子で……しっかりした家で育った子だっていうのがすぐに分かるよ」

目をキラキラさせて大興奮の母に、和音もそう言ってやる。

「やった、やったわ和音、拓斗っ、お母さんこれで安心だわっ!」

「良かったね」

大はしゃぎの母を、生温かい目で見守る息子たち。

あまりにも甘えん坊で頼りない末っ子が心配だった母は、娘に早く良い彼氏が出来ないかと期待する毎日だったのだ。

しかし。

「かわいい娘にダーリンなどっ、僕は認めなあぁあぁあああーい!!!」

世界のマエストロ、橘奏一郎は咆えた。


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