オノマトペ
「大体なんだ、花音! お父さんにはお手紙一週間に一通しかくれないでっ。それもこれもそのダーリンとやらにかまけているからなのかっ!」

「前からそうだし、一週間に一通手紙送るだけでも凄いことじゃないのかな。毎日電話もしていることだしね」

和音がフォローするも、奏一郎はぶんぶんと首を振る。

「昔はあんなにたくさんチューしてくれたのに……今はほっぺにチューが精一杯……それもこれもダーリンのせいか!」

「それは父さんのせいでしょ」

拓斗が困ったように言う。

「もう、奏一郎さんったら落ち着いて……。花音に彼氏が出来たのよ? 喜ばしいことじゃないの。ねぇ、今日はかなえさんに言ってご馳走を作ってもらいましょうよ。お祝いに」

「なんの祝いだっ!」

奏一郎はカッと目を見開き、花音が大事そうに抱えるピンクの封筒に目をやった。

「お父さんに送ってくれる封筒と同じ……同じものに他の男への愛を書いているのか花音……そんなの……そんなのははお父さん許さないんだぞおおおおっ!」

「…………」

和音、拓斗、律花、胡乱な目で奏一郎を見る。

花音の我侭加減は、実は父似だ。

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