オノマトペ
ウサギ柄のカラーペンを置いた花音は、便箋を折りたたみ、ピンク色の封筒にぎゅうぎゅう押し込んだ。
それから、メイド姿の自分が写っている写真を手にし、うーん、と唸った。
「本当に喜んでくれるかなぁ……変じゃないかなぁ……」
家庭科教師が撮ってくれた写真は、若干下からのアングルだ。際どいと言えば際どい。
厳格な家で育った剣士君ならば、「なんとはしたない!」と怒るのではないのか……そう、兄の拓斗のように。
「ん~……」
写真を眺めながら眉間に皺を寄せる花音。
しばらく悩んでいた彼女は、意を決して写真を封筒に入れた。
「大丈夫、お兄ちゃんが喜んでくれるって言ったもん」
と、ウサギのシールでしっかりと封をした。
そして、机の引き出しからフリルのついた花柄の小箱を取り出し、蓋を開ける。
そこには同じようなピンク色の封筒がたくさん納められていた。
今は夕城の家にいない剣士の行き先を、花音は知らない。
届けられない手紙は、ここに溜まるばかりだ。
それから、メイド姿の自分が写っている写真を手にし、うーん、と唸った。
「本当に喜んでくれるかなぁ……変じゃないかなぁ……」
家庭科教師が撮ってくれた写真は、若干下からのアングルだ。際どいと言えば際どい。
厳格な家で育った剣士君ならば、「なんとはしたない!」と怒るのではないのか……そう、兄の拓斗のように。
「ん~……」
写真を眺めながら眉間に皺を寄せる花音。
しばらく悩んでいた彼女は、意を決して写真を封筒に入れた。
「大丈夫、お兄ちゃんが喜んでくれるって言ったもん」
と、ウサギのシールでしっかりと封をした。
そして、机の引き出しからフリルのついた花柄の小箱を取り出し、蓋を開ける。
そこには同じようなピンク色の封筒がたくさん納められていた。
今は夕城の家にいない剣士の行き先を、花音は知らない。
届けられない手紙は、ここに溜まるばかりだ。