オノマトペ

「……人、だ」

ぽつりとそう呟いたフェイレイは、リディルを抱えたまま立ち上がる。

「人だ」

もう一度、はっきりと言う。

４人いた。

黒装束に頭に小さな帽子のようなものを被った少年と、その横にかわいらしい顔の背の低い少年。

その後方にある東屋では、やたら美形の青年と小さな愛らしい少女が抱き合うようにしてこちらを見ている。

４人が４人とも、目玉が零れ落ちそうなほど目を見開いていて、台風の中でも彷徨っていたのか、というくらいに髪も服装も乱れていた。

それでも、フェイレイやリディルにとって、目の前に『人がいる』という事実は、何にも変え難い嬉しいものであった。

「人がいるうううううー!!」

嬉々とした表情で叫んだフェイレイは、リディルを抱えてくるくると回りだした。

「やった、帰ってきた！　みんなのとこに帰ってきたあっ！」