オノマトペ
穏やかな日曜日の昼下がり。

少し気温は高いけれど、乾いた風の吹く気持ちの良い日であったため、橘家の庭ではお茶会が催されていた。

それに御呼ばれしていた鷹雅は、ご機嫌の体で橘家長男和音と末っ子花音の作った菓子を、旨い茶とともに頂いていたところだったのだ。

それがどうだ。

突然嵐のような突風が吹き荒れたかと思ったら、目の前に雷のような衝撃が走り、茶菓子どころかテーブルや椅子まで吹っ飛んでしまった。

咄嗟に兄と妹を庇った拓斗なんか、身体中傷だらけだ。

許せるわけがない。


「からすてんぐ？　……だいよーかいからすてんぐって、なんだ？」

フェイレイは背後のリディルに問いかける。

「……知らない。雪女みたいな、伝説の妖のこと？」

その一言が、鷹雅の闘争心に更に火をつけた。

「雪女を知ってて……なんで鴉天狗を知らねぇんだよっ！」

抜刀の構えから、目に見えぬ速さで斬りかかる。

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