オノマトペ
大広間にたくさんのご馳走を並べ、教会から神父を呼び、橘ブラザーズが音楽を奏で、そうして結婚式もどきパーティが行われた。

幸せを隠し切れないフェイレイと、俯きながらはにかむリディル。

そんな2人を取り囲み、夜が更けるまでどんちゃん騒ぎだった。



それから橘家に泊まらせてもらうことになった2人は、バルコニーに出て三日月の浮かぶ濃紺の夜空を見上げた。

「ここの精霊たちは凄く元気そうだな」

「うん、とても良くしてもらっているみたいだよ」

と、リディルはバルコニーの向こう側へ手を伸ばす。

昼間見た碧色の淡い光が、その指先にふわりととまった。

「ここは何の心配もいらない場所。彼女たちはそう言ってる」

「そうだね」

まったく見も知らない異世界で、こうして怯えずに堂々としていられるのは、彼らに美しくも元気な精霊たちの姿が見えているからだった。

自分たちの惑星にいる精霊たちとは違う姿。

けれども、同じように優しい種族が、ここにはいる。

優しい人の傍に、精霊たちはいる。

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