オノマトペ
「さすが伝説の雪女だ!」

「あ、そ、そんな、私なんて一回戦敗退でしたからっ。しかも予選通過出来たのは龍太郎くんのおかげですし……」

雪菜、あわあわしながらスポンジの泡を泡立てる。

「でもあの白兎の君と凄いバトルをしていたじゃないか」

と、和音。

「あれは小岩井さんのおかげなんですっ……私は何も……」

ガシャガシャと鍋を洗いながら、白い頬を染める雪菜。

そうやって他に気をとられたために、手元の泡が七色の光を湛えた氷玉になってしまい、雪菜はまたあわあわしながらそれを砕いた。

「ふーん? それで、今年も出るの?」

「出ません、出ません! 去年はお母様に無理やり出させられただけですからっ」

「そうなの? 残念だなー」

そう言いながら、雪女が出るのなら俺が出てもいいのかな、なんてますます前向きになってくるフェイレイ。

その話を黙々とトマトを盛りながら聞いていたリディルは。

「……大丈夫?」

と、視線だけをフェイレイにやる。

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