オノマトペ
そう会話する間にももりもり盛られるトマト。サラダというよりは、ただのトマト盛りになっている。

時々リディルの口の中に放り込まれるトマト。どうやらお気に召したようです。

姫は民間育ちなので、たまにこういうこともします。

そんなリディルに、フェイレイは話しかける。

「なぁ、リディル。もし俺が出たら応援してくれる?」

リディルはまた視線だけをフェイレイにやる。

「うん」

「じゃあ絶対勝つ!」

フェイレイはにっこり笑う。

「あ、でもみんな強いんだろうな。勝ちたいのは俺だけじゃないんだし、絶対ってことはないよな。……負けたらカッコ悪いけど、そんな俺のことも見ててくれる?」

「うん」

リディルは頷く。

「ちゃんと見てるよ。勝っても、負けても。怪我したら治してあげるから。思い切り、やったらいいよ」

ふわ、と少しだけ笑みを浮かべるリディル。

そんな彼女に、フェイレイも笑顔で頷く。

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