オノマトペ
──そうだ、大丈夫だ。

共に修行を積んだこの数ヶ月間、兄弟子であるスペシャルバカのタフさは毎日見てきた。

それこそ本当に、馬鹿みたいな体力と根性を持っているスペシャルバカ。

拓斗には一生身につかないだろうそれに、憧憬の念すら抱くほどなのだ。彼は本当に凄い人なのだ。

だから、大丈夫……。

そう息を飲んで見守っていると、スペシャルバカの周囲にいる人たちの顔が、徐々に明るくなっていった。

ああ、大丈夫だ。

観衆たちの漏らす安堵のため息とともに、拓斗は観覧席の椅子にどすんと腰を下ろした。

そうして湧き上がる大歓声に包まれながら、笑みを浮かべる。

「……凄い」

ほっと安堵の溜息とともに零れ落とす言葉。

「凄いなぁ。翡翠先生も、龍太郎くんも……」

それは心からの賞賛。

決勝戦で戦った2人だけでなく、このタイマントーナメントに出場した他の者たちも。

実に素晴らしい戦いぶりだった。

穏やかなはずの拓斗の胸に、小さな火を灯すほどに。

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