オノマトペ
「いつ以来だ、人に負けるの。ああ、アレクセイ以来だ! 翡翠先生、アレクセイの生まれ変わりなんじゃないのか!?」

「……確かに、雰囲気は似てるけど」

「だろ? あの頑固そうで眉間に皺が寄ってる感じ!」

「……ふふ」

リディルは軽く笑う。

「この世界には、生まれ変わりが、たくさん?」

「そうだよ、母さんにも会えたし。もっと他にもいるかもな」

真面目な顔でそんなことを言うフェイレイに、リディルは更に微笑む。

「素敵な世界だね」

「ああ」

顔を見合わせた2人は、穏やかに微笑み合う。



失った大切な者たちに出会う。

そんなことは幻想だと、解ってはいるのだけれど。

『彼ら』を想いながら『彼ら』とともに過ごす時間は、きっと素敵なものになる。



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