オノマトペ
「あれは苛められているんじゃなくて、修業をしているんだよ。武道家として鍛錬しているだけなんだよ」

「だって拓ちゃん、いつも苦しそうなのに、龍太郎先輩も龍娘先生も止めてくれないじゃない。ひどいっ……ひどいようっ」

泣き虫花音、うりゅー、と目に涙を溜め始める。

「だからー……それは僕が未熟なだけであって、2人が悪いわけじゃないんだってば……」

妹の涙に弱い拓斗、早くも押され気味。

「私のだいすきな拓ちゃんをいじめる人は、ゆるさないんだからあっ」

兄を純粋に心配するあたたかな涙が、ぽろぽろと零れる。

それを見る拓斗の怒り顔が、困り顔に変化する。もう負けそう。

でもここで退いたら尊敬する龍太郎の面目が護れない。

拓斗はいつになく強気で花音を説得にかかる!


「花音は龍太郎くんを誤解しているんだ。彼はね……


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