オノマトペ
太陽の光と、精霊たちの光に包まれながら、2人も屋敷へ向かって歩き出す。

「フェイ、クリームついてるよ」

自分の頬に手を添えながら、フェイレイにそう教えるリディル。

「あ、ほんと? 勢いよく混ぜすぎて飛んだのかな」

と、クリームがついているのとは反対側を撫でるフェイレイの手。

それを見て、リディルがそっと手を伸ばした。

「こっち」

人差し指でクリームをすくい取り、ほら、とフェイレイの目の前に差し出す。

「ほんとだ」

フェイレイはそれを躊躇いもせずに、リディルの指ごとぱくりと口に入れた。

「──っ、フェイっ! 汚いっ」

「あ、ごめん」

「あ、あの、そうじゃなくて……私、さっきまで土や草に手をついてたからっ……」

「ああ、そのくらい平気だよ。泥水飲んだって腹壊したことないし」

と、リディルの指からクリームをペロリと舐めとり。

「あ、ウマいよ。和音、料理の天才だなー」

にっこりと、いい笑顔。

< 238 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop