オノマトペ
学校からの帰り道、ボロボロの箱の中で雨にそぼ濡れる捨て子兎を見つけて、こんなところでどうしたんだ、と声をかけるんだ。
龍太郎くんの怖そうな外見に子兎はビクリと身体を震わすんだけど、それも一瞬のことだった。
子兎には分かったんだ。
この人がとても優しい人だってことが。
雨の寒さに震え、助けを求めるように鼻をヒクヒクさせている子兎を、連れて帰ってやりたいのは山々だけど、どうしても家では飼ってやることが出来ない。
だから涙を呑んで『強く生きろよ』と言って、子兎に傘をさしてあげて、後ろ髪ひかれる思いでダッシュで立ち去るんだ。
でも、部屋に帰ってからも震える子兎のことが頭から離れなくて。
夜中、まだ雨の降りしきる寒い道を、傘もささずに走っていくんだ。
財布の中には明日のお昼ご飯代である100円しかない。そんななけなしのお金を使って、子兎のために人参を買っていってあげるんだ。
そうして冷たくなっていた子兎を抱き上げて、シャツの中に入れてあげて、顔をクシャクシャにしてこう言うんだよ。
『もう大丈夫だ、ぜってー飼い主探してやるからな。心配すんな』って……。
龍太郎くんの怖そうな外見に子兎はビクリと身体を震わすんだけど、それも一瞬のことだった。
子兎には分かったんだ。
この人がとても優しい人だってことが。
雨の寒さに震え、助けを求めるように鼻をヒクヒクさせている子兎を、連れて帰ってやりたいのは山々だけど、どうしても家では飼ってやることが出来ない。
だから涙を呑んで『強く生きろよ』と言って、子兎に傘をさしてあげて、後ろ髪ひかれる思いでダッシュで立ち去るんだ。
でも、部屋に帰ってからも震える子兎のことが頭から離れなくて。
夜中、まだ雨の降りしきる寒い道を、傘もささずに走っていくんだ。
財布の中には明日のお昼ご飯代である100円しかない。そんななけなしのお金を使って、子兎のために人参を買っていってあげるんだ。
そうして冷たくなっていた子兎を抱き上げて、シャツの中に入れてあげて、顔をクシャクシャにしてこう言うんだよ。
『もう大丈夫だ、ぜってー飼い主探してやるからな。心配すんな』って……。