オノマトペ
温泉旅行から帰って来たばかりなので、いつもよりも洗濯物の量が多いなと思いながら、花音の下着をネットに入れる拓斗。
純朴な拓斗ではあるが、女性の下着は妹ので見慣れている。
タオルを掴むのと同じ感覚で鷲掴みに出来るし、見ただけで動揺するようなこともない。
まあ、それを身につけている『者』を見れば、さすがに動揺するだろうが。
今は『物』のみなので、まったくの平常心で洗濯ネットに入れてやる。女性の下着は痛みやすいので、優しく扱うのが基本だ。
「いつでも嫁に行けますね」
後ろで見守る拓斗専属執事である東城が、ウルフカットの髪を揺らしながら感心したように頷いた。
「……ありがとう」
拓斗は顔を引きつらせながら苦笑を漏らす。
こんな言われ方をするのも毎日のことなので、いちいち否定するのも面倒な拓斗だ。