オノマトペ
【髪】



「それで、鷹雅くんは女性のどこに惹かれるのかな?」

和音の問いに、鷹雅はぐいーっとお茶を飲み干してから答える。

「あー……『髪』だな! 自然のままの黒髪がイイな。猫っ毛よりもコシがあって真っ直ぐなのがイイ。風に靡いてサラサラしてんのとかイイ」

真剣な顔で力説する鷹雅。

「ああ……大事だよね、髪は……」

笑顔の和音の視線は鷹雅の頭へ。

その視線に気づいた鷹雅は、頭襟の乗った頭を両手で押さえながらジロリと睨む。

「黒髪かー。花音みたいなのか?」

サラサラの黒髪というと、一番身近な花音が思い浮かぶフェイレイに、和音は緩やかに首を振る。

「花音というより、遊里ちゃんだろうね」

「ああ、そっか」

「ち、違うわあっ! 別にあんな小猿のことを言ってるわけじゃねぇっ!」

小猿ちゃんの名前が出た途端に慌てる鷹雅。愛いヤツめ。

< 277 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop