オノマトペ
父や祖父は人間と関わるなど、と面白くない顔をするが、仲良くしていて損はないはずだ。

いずれは学園を支配して、そこを拠点に人間界を支配するのも夢では……。



そんなことを考えながら天神学園入学式に向かっていた鷹雅は、ぞくりと背筋に悪寒を感じて立ち止まった。

背中が寒い。

頭のてっぺんが寒い。

なんだこれは。

肌を粟立てながら辺りを窺う。

校門を潜り、新入生らしき真新しい制服を着た生徒たちが歩く姿を横目に、この寒さの正体を探るべく気を張り巡らす。

──確かに、人外も通うという天神学園には、ぱっとみただけで明らかに人間でない者が混じっている。

中には鷹雅も見たことのない、西洋魔族なども混じっているようだ。

けれど、この寒さの正体はそんなものではない。

もっと恐ろしく、もっと不吉な──。


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