オノマトペ
「おはようございます。昇降口はこちらですよー」

昇降口へ続く道の途中、新入生を案内する白い着物姿の女子生徒がいた。

その可憐な姿を目撃した鷹雅は、どくり、と心臓を高鳴らせた。

肩まである美しいアイスブルーの髪。

真白な肌。

愛らしい微笑み。


どくり、どくりと、彼女が可憐に微笑むたびに心臓が音を上げる。

これはもしかして──


『恋』?



「違うっっ!!!」

鷹雅はナレーションに突っ込んだ。

違ったようです。すみません。


どくどくと心臓が鳴り、どんどん身体が冷え込んでいく。特に頭のてっぺんが。てっぺんが氷の帽子を被っているみたいに寒い。

小刻みに震えてくる手を、強く握りこんだ。

(なんだこれ、なんだこれ)

自分でもどうしてこんなに震えているのか分からない。

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