オノマトペ
自慢じゃないが、鷹雅の戦闘能力は非常に高い。

普段は見えないが、背中に生えている黒い翼で風のように飛ぶことが出来るし、口から火を吐くことだって出来る。

妖力を使わずとも、人間などとは比べ物にならないくらいの跳躍力、瞬発力がある。

畏れる存在など何もないくらいの強さはあると自負している。

それが、あんな弱そうな女ひとりに、何故こうも身体が震えるのか……。



震えながら見つめていた白い着物の女子生徒が、ふと、顔を鷹雅へ向けた。

交わる視線に、鷹雅は金縛りにあったかのように身体が動かなくなった。

そんな鷹雅には気づいていないのか──白い着物の女子生徒は、しばらく鷹雅を見つめた後、ふわりと微笑んだ。

「あれっ……もしかして、あのときの鴉天狗さん？　あれ、でもちょっと違う？　ええと……もしかして息子さんですか？」

にこやかに話しかけてくる女子生徒に、鷹雅はバッと頭のてっぺんを隠した。

「て、てめ、てめぇ、雪女か──!!!!!!」

絶叫しながら鷹雅は勢い良く後退りしていった。

「あれっ……ど、どうしたんですか、鴉天狗さん？」

鷹雅の様子がおかしいことを心配して追ってくる白い着物の女子生徒。

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