オノマトペ
そこには見慣れた英文ではなく、象形文字のようななんだかよく分からない文字がずらずらと並んでいた。

「な、なにこれぇ~、読めない~」

「どうしました~花音さん~」

箱はなおも近づいてくる。

くねくねと蛇のようにうねりながら近づいてくる。

しかし答えられない。花音、涙目。

「おやぁ~、訳せないのですか、それはいけませんね。花音さんには罰ゲームをしてもらわなくてはなりません、はい」

箱に開いたふたつの穴から見える暗黒色の瞳がキラリと光る。

「ば、罰ゲーム……?」

光る目に怯え、五所川原の影に隠れてビクビクしながら聞き返すと。

ぱっ、と箱の姿が消え、辺りはしんと静まり返った真っ暗闇に包まれた。

「……せ、先生……?」

花音の小さな声が、闇の中に融けて消える。

「な、なに……何が起きたのぅ……」

うりゅー、と花音の目に涙が膨れ上がった、そのとき。

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