オノマトペ
「この馬鹿息子! このままでは鴉丸一族の面子が丸潰れだっ! お前はこれからも雪女なぞに畏れをなし、ハゲに怯えて生きていくつもりなのか!?」
「うっ……」
それを言われると頭が痛い。というか、寒い。
確かに、雪菜に対する畏れさえ取り払ってしまえば、天神学園で恐れるものなど何も無いだろう。たぶん。
今後の学園生活を円滑に楽しく過ごすためにも、今のうちに雪菜を倒しておけば良いのでは……。
そんな風に気持ちが傾いてきたところに。
「やめておけ……佐伯にはどうしたって敵わんぞ。鴉丸はな」
少し老いが見え始めてきた鷹雅のおじいちゃん、飛燕(ひえん)が口を挟んできた。
縁側で脇息にもたれ掛かるその頭を夕日の赤い光がピカリと照らし、非常に眩しいことになっている。
「何を言ってんだ親父! あんた言ってたじゃねぇか。人間なんかに絆された、情けなねぇ雪女なんか、って……!」
その言葉があったからこそ、孔雀パパだって一生懸命半妖雪菜を山から追い出そうと頑張ったのに。
ハゲにされたけど、頑張ったのに。
「ああ……小雪なぁ……」
遠くの山にカラスたちが飛んでいくのを目を細めて眺めながら、飛燕じいちゃんは遠い昔の思い出に思いを馳せた。
「うっ……」
それを言われると頭が痛い。というか、寒い。
確かに、雪菜に対する畏れさえ取り払ってしまえば、天神学園で恐れるものなど何も無いだろう。たぶん。
今後の学園生活を円滑に楽しく過ごすためにも、今のうちに雪菜を倒しておけば良いのでは……。
そんな風に気持ちが傾いてきたところに。
「やめておけ……佐伯にはどうしたって敵わんぞ。鴉丸はな」
少し老いが見え始めてきた鷹雅のおじいちゃん、飛燕(ひえん)が口を挟んできた。
縁側で脇息にもたれ掛かるその頭を夕日の赤い光がピカリと照らし、非常に眩しいことになっている。
「何を言ってんだ親父! あんた言ってたじゃねぇか。人間なんかに絆された、情けなねぇ雪女なんか、って……!」
その言葉があったからこそ、孔雀パパだって一生懸命半妖雪菜を山から追い出そうと頑張ったのに。
ハゲにされたけど、頑張ったのに。
「ああ……小雪なぁ……」
遠くの山にカラスたちが飛んでいくのを目を細めて眺めながら、飛燕じいちゃんは遠い昔の思い出に思いを馳せた。