オノマトペ
むかしむかし、飛燕は同じ年頃の若い雪女に出会った。

美しい淡水色の長い髪に、神々しいまでに白い肌。血のように紅い唇は妖艶で、氷のように冷たい薄い青の瞳は静かな光を湛えていた。

その輝きに見つめられた、その一瞬のうちに。

「儂は恋に落ちた」

「ハアァアァアァア!?」

息子と孫は揃って声を上げた。

「小雪……美しいおなごじゃったなァ」

うふっ、と頬を染めるじいさん。

怖い。



しかし、雪女である小雪は氷のように冷めた女であった。

「儂と夫婦になれええええー!」

と、花を摘んで突進していけば、軽くいなされてそのまま地面にずささささーっと突っ込んだ。

「お前なぞに興味は無い」

背中に一言、冷笑と共にそんな言葉を浴びせられた。



「だがしかし、一度断られただけで諦めるほど儂は根性なしではないのだ!」

飛燕じいちゃんはぐっと拳を握り、頭を夕日色に輝かせながら熱弁する。

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