オノマトペ
来る日も来る日も美しい小雪の前に現れ、儂の女になれなれと言い続ける飛燕。

「妾はしつこい男は嫌いだ」

ばさりと一言、斬られても斬られても。

「儂とともに一大妖怪帝國を作ろう!」

熱く、熱く迫ってやった。

「頭の緩い男も嫌いだ」


「さあ小雪っ、儂の逞しい胸に飛び込んでおいでっ!」

「暑苦しい男も嫌いだ」


「おう、小雪! 早いとこ儂のモンになっちまえやァ。かわいがってやるって言ってんだよぉ」

「高飛車な男はもっと嫌いだ」


「本当は好きなクセに、恥ずかしがるな、近うよれ」

「勘違い馬鹿ウザイ」


「小雪、愛しておるぞ!」

「消えろ『バカラス』」


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