オノマトペ
梅雨の中休みとなった、とある休日。

キラキラ眩しい太陽の光が差し込む広いキッチンで、花音はピンクのエプロンにピンクのギンガムチェック三角巾を被り、歌を歌いながら卵白を泡立てていた。

「あっわあっわあっわあっわ、泡立てる~♪ つんつん角立つまであっわだ~てる~♪ はい、レモンさん、いらっしゃ~い! レモンさんにお手伝いされてぇ、さらにー、ぐっるぐっるぐっるぐっる、あっわだ~てる~♪」

にこやかな笑顔になったり、真剣になったりと、百面相しながらボウルの中をかき混ぜる。

何故歌っているのかというと、兄が歌いながら作り方を教えてくれたので、同じように歌いながら作っている、言われたことは忠実に守る良い子な花音。

かわいい声で元気良く歌いながらボウルの中の卵白を白く白く泡立てる。

その横から和音がにこやかに声をかけてきた。

「そうそう、上手になったね、花音」

若奥様御用達真っ白フリフリエプロンに、レースのついた白い三角巾を被った姿の和音。

花音と並ぶと、まるで母子だ。


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