オノマトペ
客人の名は夕城善。

言わずと知れた武闘派教師陣の最強の一角を担う、夕城翡翠が宗主を務める『夕城一派』。

その分家の長の一人息子、そして次期宗主の世話係兼師匠となる定めだという、武士の中の武士である善。

花音のクラスメイトでもあるその彼が、何故か橘兄弟、特に和音に会いたいと言っているらしい。

何故和音なのだろう? と首を傾げるも、拓斗の瞳はきらきらと輝いていた。

周りから閻魔と恐れられる不動の強さを誇る憧れの男、翡翠が宗主を務める夕城一派。その分家長の息子というからには相当な手だれだろう。

武士道の精神を持った、真っ直ぐで一途な性格だという彼のことは拓斗も気になっていたところだ。

剣と拳、極めんとするものは違っても、善とはどこか通じるものを感じる。

そんな彼と直接話せる機会が来るなんて。

(修業とか、どういう風にしてるんだろう。やっぱり翡翠先生やこはく先生に教えてもらってるのかな。龍娘先生よりも厳しいのかな。そういえば、龍太郎くんは翡翠先生たちと決闘をするんだって聞いたけど……どう思ってるのかな。僕は純粋に楽しみにしてるんだけど……そんなこと言ったら不謹慎かな)

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