桜花舞うとき、きみを想う
ぼくも、きみの正面に腰を下ろして胡坐を掻いた。
砂利が痛くて熱かったけれど、きみはそんなことも気にならない様子だった。
「正直、ぼくはまだ学生だし、結婚なんて考えたこともなかった」
ぼくは、まっすぐにきみの目を見た。
「でもさっき、父に見合いの話をされて」
そのとき、きみの瞳が少し揺らいだ。
「お見合い?」
ぼくは頷いた。
「でも父が見合い相手の話をしている間、ぼくの頭の中にはずっときみの顔が浮かんでいたんだ」
「礼二さん」
この先を考えるとき、ぼくの隣にはきみが必要だと心から思った。
きみのいない人生は、考えられなかった。
「もう一度言うよ。ぼくと一緒になってください」