桜花舞うとき、きみを想う
【ゆっくり海面ギリギリまで降下しろ】
清水さんの指示に従い、ゆっくり高度を下げた。
太陽に照らされ眩しく光っていた海面がぐんぐん近づき、
【そのまま水平を保って飛行しろ】
続く指示の通り、ぼくは海を滑るように飛んだ。
初めての飛行訓練を、仲間の何人かが基地で見ていた。
ぼくが練習機から降り立つと、彼らは驚くことに、拍手でぼくを迎えてくれた。
「初飛行で海面の水平飛行をやってのけるなんて、どんな感性だよ!」
口々に言って、ぼくを取り囲む仲間たちに、ぼくは照れ笑いを返した。
輪の向こうで、清水さんや他の上官たちも満足そうな笑みを浮かべているのが見えた。
ぼくの飛行訓練はその後も続き、始めてから数日経った日、ぼくは所属部隊の少佐に呼び出しを受けた。