アゲハ~約束~
「・・・だから、私から会いに行くから・・・そうしたら、ちゃんと聞かせてね?」



 呟く彼女の横顔は、夕日に映えて、美しく。



「・・・ごめんね、ルー。遅くなって。・・・たくさん写真を残していくんだもの。時間かかっちゃった。・・・でもみんな喜んでくれたわ。・・・よかったね。」



 後は、私だけ。

 ―――アゲハの足の甲が、完全に海面に浸かる。


 ――――まってて。


 今、あいにいく。


 そこにいるんだよね?

 ――――日本の海からでも、海はつながってるもの。


 ・・・いつかは、ルーのところに届くよね?


 ―――まってて。





 今、あいにいくから。





< 115 / 146 >

この作品をシェア

pagetop