アゲハ~約束~
「お前らが帰った後すぐ、海に出たんだ。そうしたら漂ってるそれを見つけてな。あけてみて驚いたよ・・・」

「・・・?」



 見覚えのあるような気のするそのバックに、恐る恐るアゲハは手を伸ばし、チャックを開ける。


 ―――中には、一台のカメラと数枚の写真が入っていた。



 桜の中に横たわる、アゲハ。

 カメラから目をそらして、照れたように顔をしかめる、アゲハ。

 そして、一際おおきく引き伸ばされた写真。

 その写真に写されていたのは、夕日と、そして、柔く微笑む――――・・・




 アゲハ。

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