アゲハ~約束~
「ルフナ=ウォーカーさんですよね?!!」

「はい?」



 確認するも何も、いまアゲハから聞いただろうがと思うかもしれない。

 けれど彼は、確認せずにはいられなかった。なぜなら。



「オレ、今K大で写真サークルに入ってる柏木正人っていいます!貴方の写真集なんて、全部持ってて・・・わ、わ、わ!あ、ええと、あの、握手してください!!」



 目を丸くして手を差し出したルフナの手を、彼はぎゅううっと強く握って、何度も振った。



「なんだぁ?」



 その騒ぎを誰もが聞きつけて、そこに視線を集中させる。

 アゲハは立ち上がって恐る恐る正人に近寄ると、なんなの?と、小声でたずねた。



「この外人が、何かあったの?」



 すると、正人はきっとするどい視線をアゲハに向ける。



「この外人、なんていうんじゃない!!」

「?!」

「この人はっ・・・この人はなぁ!俺のっ・・・俺の心の神様だ!!!」



 ルフナの手を握ったまま離さない正人の顔は、泣きそうだ。


 それほど興奮しているらしい。


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