アゲハ~約束~

6.

 花見が終わり、子供たちは年長組が連れ立って園へ。

 残りの卒業生組と教師組は、夕暮れの中、後片付けをしていた。



「ほらほらウォーカーさん。ちゃんとゴミを拾って。」



 さすがというか、なんというか。



 ルフナが名の知れた人間であると知っても、園長の彼への対応はまったく変わらない。

 ルフナは、それがとても嬉しそうだった。



「・・・ところで、ウォーカーさん。」



 ゴミを拾いながら、彼女はそっとルフナを見やった。

 そして、優しくたずねた。



「・・・アゲハと何かありましたか?」

「え・・・」

「アゲハがひどい顔で走りこんできたすぐ後に、貴方がもっとひどい顔で走りこんできたから。」

「あ、あはは・・・」



 まいったな、と、ルフナは上半身を起こしながら苦く笑う。


 自分って、そういうことがすぐばれるんだよなぁと、ひとりごちてから彼は力なくため息をつく。



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